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晩秋の信濃路を行く

“S.E.M. たより №330 (2010.11.30)”より
晩秋の信濃路を行く

11月16,17日の2日間、松本に出掛ける用事があったのでその足で晩秋の信州を訪ねてきました。信濃の秋は去るのが早い。 既に秋は店仕舞いして、冬が飾付けを始めていました。

鷹狩山 秋と冬の狭間に
大町の東側に標高1,164mの鷹狩山が在ります。この山頂には360度眺望の開けた展望台が在り、ここから観る奥信濃の景色はただただ感動するばかりです。私たちが展望台に到着した時には既に16時30分を回り太陽が北アルプスの稜線に沈み掛けて辺りが薄暗くなり始めていました。それでも下の写真のような景色を充分に堪能することができました。 ご覧下さい。

晩秋の信濃路を行く
遥か北の方角に白馬三山が。 その手前の雪を被ったなだらかな斜面は八方尾根。
晩秋の信濃路を行く
北西方向に北アルプス北部の顔、鹿島槍ヶ岳(左)と五竜岳が肩を並べる。
晩秋の信濃路を行く
西方向の眼下には大町の街並み。 その向こう中央の山は蓮華岳の雄姿。
晩秋の信濃路を行く
鷹狩山の南東方向に広がる信州中央の山並。 一番奥の稜線は美ヶ原。

南東側はまだ晩秋模様。西から北西、そして北に掛けては冬本番が迫っている。ここ大町の鷹狩山は秋と冬の狭間に佇んでいた。

御射鹿池 黄金色響く
先日紹介しました東山魁夷の「緑響く」。
晩秋の信濃路を行く
【緑響く 東山魁夷作】

この絵のモデルになった池が八ヶ岳山麓に在ります。今回この池を訪ねて来ました。 八ヶ岳連峰西側山麓の横谷渓谷。 その奥に静に佇む池がモデルとなった御射鹿池(みさかいけ)です。 池は沢の流れを堰で止めて作られた人工池で意外と小さなものでした。ここに至るまでの周りの風景は唐松の森、柔らかな稜線、小さな湖などが展開し、魁夷の描く信州の風景画そのものでした。池の周囲の情景は魁夷の絵「緑響く」そのままの姿でした。 ただ、今は晩秋。 唐松の紅葉した黄金色が周囲を支配していました。 私たちがここに到着した頃には既に西の空に大きく傾いた夕日の日差しが湖面に差し込み初冬の気配が漂っていました。
晩秋の信濃路を行く
【御射鹿池(みさかいけ)】

東山魁夷は新緑の頃にこの池を訪ねて対岸を眺め、白馬を想い描きながら「緑響く」を創作したのです。“御射鹿池写真集”サイトから拝借した新緑の頃の池の写真を何枚かご覧下さい。
晩秋の信濃路を行く
晩秋の信濃路を行く
如何でしょう。 無風、静寂、緑響く湖面のハーモニー。 今にも白馬が現れそうな気配がします。
晩秋の信濃路を行く
冬の闇が迫る晩秋の湖面を眺めつつ、今度は是非“緑響く”新緑の時期に訪ねてみたいと思いました。

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